「方向性」論は評価するが

#その方向性が自分の嗜好と異なった場合はまた口汚く罵るのだろうな、と思いつつ
#7/31のTBSニュース23、小倉−杉山対談(途中からですが)

おすぎ
攻撃的な美しいサッカーを目指したことは目指したんだと思います。ただ、目指し方が漠然としてたんです。
選手の人選にいく前に「何をしたいか」が決定的に欠けてるので、選ぶべき選手の像が見えないんですよ。
オグ
監督経験のないジーコに委託した日本。選手が可哀想だったかな、と。
特に掲げた、ジーコ監督の言う「リベリダージ」(自由)ですか
おすぎ
あの「自由」って言葉をサッカーの具体的なプレーに落とし込んだ時に、「なんなんですか?」と僕は言いたいですね。
ドリブルしたって誰も怒りませんよね。フェイントしてもパスしてもロングキックしても怒らないし。
オグ
「自由」って言われるとイメージあるんですけど、元々サッカーは「自由なもの」なんですよね。
おすぎ
そうなんですよ。それを、どうやって統合するか、統率の取れたものにするか、
効率的にメンバーを編成して相手にエネルギーを確実に伝えるか。これが僕は最大のポイントだと思いますが。
オグ
バラバラで走ったら行き先を失った舟みたいに何処へ進んでいいかわからなくなる。
おすぎ
サッカーっていうのはボールを持ってるマイボールの時間が50%、相手ボールが50%あるわけですよ。
相手ボールの時に自由はないですよ。相手ボールのときにはそれに即した対応をしなけりゃならないんですけれども・・・
それを選手同士で考えるわけにはいかないんですね。それは監督の仕事なんです。
そこを「自由」と言ってしまうと、仕事を放棄したことになるわけですよね。
で、選手同士が、例えば宮本選手と中田英選手が相談してる。モメている。ありえない話だと思うんですよ。
それがそのまま成績になって現れたと言っても過言ではないと思います。
ジーコが何も言わないことに対して、突かなきゃいけなかったんですよやっぱり。
で、何故そういう人を指名してしまったんだという話にまで本当はいければ良かったんですよ。
オグ
日本人の特長である、勤勉性であったり協調性であったりといった部分では、何かベースになるものを打ち出して欲しかったというのはあるんですけど。
日本のサッカーの成長は見て取れなかったと。
おすぎ
成長どころか遅れたと思います。ちょっと世界とは距離が離れたな、と。
オグ
日本代表に入れば、もう凄い注目も集めるし、選手としての商品価値も上がる。それくらい日本代表というステータスは上がりましたよね。
上がったからこそ、やらなければいけない日本サッカーとしての方向性だったりは必要になってきますよね。
おすぎ
そうですね。日本サッカーのフィロソフィー(哲学)ってやつですね。これがないもんですから、トルシエは規律だ、ジーコは自由だ、
そして今度はまた規律ですか?みたいな、どっちに何をしたいのかがもうブレまくってるところに僕は最大の原因があると思います。
やっぱりそこで反省、検証、そしてどういう方向性で日本は行ったら今以上の成績を残せるのか、というのをもっと研究しなきゃいけなかった。
オグ
日本のサッカーの「色」と言われた時に、ちょっとボヤけますよね。
おすぎ
「日本のサッカーはこうですから」これはJFAが言うべきなんです。「だからオシムさんなんです」という手順でないといけないんです。
オグ
Jリーグが始まって10年以上経ってるわけですから、そういう意味では、今一番足りないのは「方向性」だと。